博士課程

博士課程における必要な知識(実験屋はどれくらいの理論知識が必要か?)

こんばんは。たぬしです〜
ワードプレス難しいですね!
設定や更新に非常に時間がかかっている今日この頃。

さて、今日のお題ですが、博士課程で必要な知識のお話です。

簡単な略歴はプロフィールに載せてありますのでもし興味ある方がいらっしゃいましたら、そちらをご参照ください。

博士課程では、どれくらい理論の知識が必要か?といった問題を今日はお話します。

なぜ僕がこの問題に直面しているかというと、研究室を学部、修士と変えたからで、その度に知識がリセットされてしまい、必要な知識の収集に苦労していたからです。

大まかに言えば、ずっと物理分野の研究をやってきましたが、学部と修士では結構違うことをやっていたので、修士のとき、完全にリセットされ0からやり直しでした。

まず、多くの物理の分野で言える事と思うていますが、実験屋に必要な知識というのは、かなり多岐にわたります。以下に必要と思われる大まかな項目を挙げます。

実験屋に必要な具体的な知識とは!?

  • 実験の技術(これがかなり多岐にわたる)
  • 解析の技術 (作業も多いが、非常に面倒な部分も)
  • 物理自体の習得(解釈に際して、肝心なのはここ!)

実験の技術は、匠の技的な部分が、どの分野でもあり、かなり泥臭いものだと思っております。

これは、スポーツと同じようなもので、ひたすら身体を動かして覚える部分も多く、実験技術の改良から装置の修理、果ては実験がうまくいかなかった時の解釈まで、様々な項目がある。

しかも、一研究室が扱う実験の種類は多くあり、それぞれに覚えることと、理論的背景があります。

かなり特別な測定実験でない限り、普通は、多くの実験手法を覚える必要があるはずです。

そして、多くの実験は、かなーり時間がかかる。一日中測定にかかるなんてことは、よくあることで、物理自体の勉強は土日や休みを使ってやるしかない。なんなら休みの日も実験してるなんてことはよくある。

そこで、僕はよく思ったものです。

実験屋はどれくらい理屈(物理自体)を理解しているのだろうか?あるいは、どこまで理解している必要があるのだろうか!?

ネットで調べてみるも、生の声はほとんど見受けられなかった。

色々な外部研究室に行ったり、研究所へ行ったので、その都度聞いたりしてみたが人によってまちまちだということも分かった。

それらを紹介していこう。

某真面目助教「論文で勉強するくらいで、物理の本読んだりは今はあんまないかなぁ。実験が忙しすぎてね。。。」

某博士学生「修士までは、凄いやってたけど今はほぼないかなぁ。」←この人は、理論屋ばりに理解している凄い学生。

某先生「実験屋は精度良い測定結果をとにかく世に示すこと。解釈は理論屋に任せりゃええ。」←神がかり的に色々理解してる猛者。

某先生2「とにかく合成っすよ!新物質合成っす!!」←根っからの実験屋で理屈より実験のバイタリティー型。

指導教官「数式解くより、概念を理解せよ!!しゃっす!」←実験力ぱねーけど理論も概念的に理解してるオールラウンダー型

ふーむ、人により研究のスタイルも違うし、結局人によるということか〜〜

長年この業界を観察して思ったのは、やはり理論に詳しい実験屋の人は、解析の仕方や解釈において抜きんでているということ。

「ふーむ。やはりすごい人は、物理自体を死ぬほど理解しているたぬね。とはいえ、そうじゃない人でもすごい人はいるし、、どこまで理解していればいいのか難しい。。。」

自分が扱う分野はやろうと思えば、多くの科目を必要するが、根底に必要なものは量子力学や、統計力学、結晶学などである。

自分は、工学部上がりで必要な物理が足りていないと思っていたので、二冊ほど量子力学の本に手を出した。小出昭一郎先生の「量子論」と「量子力学Ⅰ」である。

量子論はかなり基礎的なので、物理学科でなくとも、読めるであろう。

量子力学Iを初めての量子力学の教科書として選んだのだけど、初学者にとってはわかりやすくもあるが、クソ難しかった。

たぬし「量子力学とは、なかなか難解な学問たーぬ。ぐぬぬ」

全てを手計算で追ってみるも、一回で身についているという気がしなかった。。

実験の忙しさや、火だるまな体調に押されて、あまり理論の勉強をしないまま博士を進んで行ったが、それはそれで地獄に突き進むこととなる。たぬし氏がまさにそれだ。

また、理論の理解の仕方も、人により形式があり、人それぞれ異なるということに途中で気付いた。数式を扱わず、大量の実験による勘と、概念的な理解をきちりとしている人などもいるからだ。

どのような方法にせよ、実験をやる人も、確実に理論のある程度の知識は必要である、ということは間違いない。

言い方を変えれば、理論の深い知見がデメリットになることはないが、あまりに理論が出来なすぎると、実験の解釈に負の影響を与える。

もし、これから研究をやりたい、研究者を目指したいと思ってる若人がいるとすれば、声を大にして言いたい。

実験屋を目指す人も、学部時代に数学は死ぬほどやっておくこと!+自分の分野の核となる基礎科目を徹底して極めよ!

理系である以上、何を学ぶにしても数学は絶対に必要だ。

そして、何を学ぶにしても、一番挫折の可能性があるのは、数式を追う点だと思う。

徹底的に、微積、線形代数あたりをやっているだけで、かなり違うので、兎に角数学は頑張ろう、と言いたい!

この件に関しては、別に改めて書こうと思う次第です。