今回は、サイト管理人であるたぬし氏の友人「和泉屋」氏にpython導入に関する記事を書いてもらいました。
一緒にバンドもやっておりまして、彼はベースを弾き倒しております。(僕はギターです)
彼もまた理系パーソンであり、pythonを結構いじっているということから話が弾み今回の記事に至ります。
では、お楽しみください。
はじめまして,和泉屋です.
たぬしさんの組んでいるバンドのベースを担当しています.ベースってよく「じゃんけんに負けたやつがやる」って言うじゃないですか.あれおかしくないですか?
ベースってめっちゃおもしろいんですよ?じゃんけんに負けなかったらやっていませんでしたが.
今回はいろいろ遊びたいことがあって,会社のパソコンに無断(※怒られました)で python をいれて遊ぼうとしたら思った以上に苦戦したので,エラー対処の共有と個人的な忘備録を兼ねて記事にしたいと思います.
私自身何度も挫けそうになったので,なるべくくじけずに python を導入できるように説明してみたいと思います.
もしわからないことがあればツイッター(@izz_miya)にリプください.
できる範囲で頑張って答えます.(ちなみに,プログラミング初心者ですがめちゃくちゃ調べたのでやってることは初心者のそれではありません…)
目次
0. いざ尋常に…
それでは python のダウンロードからです.
python の公式サイトは https://www.python.org/ です.
python をインストールするときはこのサイトから Downloadsをクリックして,python 3.7.3(2019年4月時点) をインストール!…してもいいのですが,今回は Miniconda (Anaconda のコンパクトバージョン)を使ってインストールしていきます.
1. Anaconda とは? Miniconda とは?
Anaconda は,python と,python を扱う上でよく使いそうなライブラリ(簡単に言うと「プログラミングお助けツール」), Conda (ライブラリのバージョンとかを管理してくれるお助けツール)を簡単にインストールできるニクい奴(python ディストリビューションといいます)です.
ちょっと容量を食いますが,これをインストールすれば大体のことができそうです.
Miniconda は,Anaconda のうち必要最低限のものをインストールする python ディストリビューションです.
Anaconda だと 3GB くらいの容量が必要ですが,Miniconda だと 400MB くらいです.
インターネットに繋がっているコンピュータで python を使用する場合,Miniconda を使うことをおすすめします.
なぜなら Anaconda をインストールしても使わないものが結構多いからです.
2. Miniconda インストールファイルのダウンロード
こちらにアクセスし,”python 3.7″ の行の一番左(windows用)の “64-bit (exe installer)” というリンクをクリックするとダウンロードが始まります.
“python 2.7” はこの記事を読んでいる人にはほぼ必要ないでしょう.
ちなみに後で足せます.
3. Minoconda をインストール
基本的に右下の “Next” か “I Agree” か “Install” のいずれかをひたすらクリックすればインストールできるようになっています.Anaconda でもほとんど同じ手順です.
- ダウンロードしたminocondaのインストールファイルをダブルクリックします.
- 次の画面が表示されるので,”Next” をクリックします.

- 次の画面はライセンスの同意です.(気が向いた人は)読んだら “I Agree” をクリックします.

- 次の画面で使用するユーザの選択を求められます.”Just Me (recomended)” を選択し,”Next” をクリックします.
なぜ “Just Me (recomended)” を選ぶべきなのか?
設定を他の人にいじられないようにするためです.Miniconda や Anaconda は使用する際に様々な設定があります.例えばあなたが使っていた設定を他の人が勝手に変えてしまい,そのせいであなたの思う通りに動かなくなってしまった…(もしくはその逆)なんてこともありえます.そんな不幸を事前に防止するために,”Just Me (recomended)” を選択することを推奨しています.

- 次の画面でインストールフォルダの設定をします.といっても基本的に “Next” をクリックすればよいでしょう.

- 次の画面で,PC と python の環境設定を行います.今インストールしようとしている PC に別の python をインストールしてある(もしくはインストールする予定がある)人は,上のチェックボックスのチェックを外します.
下のチェックボックスはチェックしたままにしましょう.
後で楽ができます.和泉屋は初期設定のままです.設定したら “Install” をクリック.
“Add Anaconda to my PATH environment variable”とは?
このチェックボックスは「Anaconda をユーザ環境変数の PATH に追加する」ということです.
環境変数というのは Windows の設定のことです.環境変数にはいくつかの種類があります.
このチェックボックスは,その環境変数の中の PATH という環境変数に Anaconda を追加するということです.
Anaconda をこの PATH に追加すると,環境変数を使うソフトが python を起動するときに Anaconda の python を起動するようになります.
このとき,PATH の中に他の python があると,PATH の中で先に書いてある方から起動します.
こうなると思ったとおりに動かなくなる原因になりますし,いちいちチェックするのが面倒です.なので別の python をインストールする場合はこの設定をオフにするほうがいいと考えています.
参考:[Windows10でTempやPathなどの環境変数を設定する方法(ProEngineer)](http://proengineer.internous.co.jp/content/columnfeature/5205)
オンにするとどうなるの?
このチェックボックスをオンにするとちょっと便利になることがありますが,私は特に必要がないと感じています.
これをオンにすると,コマンドプロンプトで “python” と打てば python が起動するようになりますし,他にも “conda” と打てば conda が使えた(はず…確認はしていません)りします.
ですが,インストールが終わると Anaconda Pronpt というものがついてきて,これを使うと python や conda が扱えるようになるので,個人的には特にチェックする必要はないと考えています.ちなみに,後で自分で設定できます.

- インストールが終わるまで待機.アニメを見るほどの時間はかかりません.
- 次のようになったら “Next” をクリックして,最後に “Finish” をクリック

これでインストールは完了です.
4. Conda 設定
インストールが終わったら,Conda の設定をします.Miniconda も Anaconda も同じです.
インストールフォルダを探す
Miniconda (Anaconda) がインストールされたフォルダを探します.
まずウィンドウズキー(キーボード左下にある,windows のロゴが書いてあるキー)を押すと出てくる画面(スタートメニューと呼ぶ)の左側にある「Anaconda3 (64-bit)」もしくは「Anaconda3 (32-bit)」をクリックして,次に出てくる「Anaconda Pronpt」をクリックします.

クリックすると,黒い画面が現れます.
ちょっとなんか難しそう…ですが,難しいことはしないので安心してください.
そこに “where python” と入力しましょう.
すると,python のパス(例 C:\Users\Username\Miniconda3\python.exe)が表示されます.
次に, “CD (python がインストールされているフォルダ)” と入力してエンターを押しましょう.
“where python” で出てきた文字の最後の “python.exe” は外します.
下の画像を参考にしてください.
この操作で,この黒い画面の場所が python のインストールフォルダに移動しています.(これを操作する感じが「カッコイイ…!」って思ったらこちらで使い方が学べます)
設定ファイルをつくる
次に,Conda の設定ファイルを作ります.設定ファイルの名前は “.condarc” という名前です.先程の画面に次のように入力しましょう.
1 2 |
type nul > .condarc |
コピーアンドペーストでも大丈夫です.これで設定ファイルが作れているはずです.確認するために次のコマンドを入力してみましょう.
1 2 |
dir .condarc /s |
すると,次のような感じで出力されると思います
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
C:\Users\Username\Miniconda3 のディレクトリ 2019/04/24 01:03 0 .condarc 1 個のファイル 0 バイト ファイルの総数: 1 個のファイル 0 バイト 0 個のディレクトリ 40,487,817,216 バイトの空き領域 |
このように “.condarc” の文字が出力されていればうまく作れています.
proxy の設定
社内LANなどで proxy サーバを経由してインターネットに接続している環境では, proxy サーバの設定を追加する必要があります.僕はめちゃめちゃ躓きましたが,わかってしまえばそんなに大変なことではありません.まず最初に “.condarc” ファイルを開きます.次のコマンドを入力してください.”.condarc” ファイルがメモ帳で開きます.
1 2 |
call notepad .condarc |
開いたメモ帳に以下の文字を入力してください.
1 2 3 4 |
proxy_servers: http: http://[proxyアドレス]:[ポート番号] https: https://[proxyアドレス]:[ポート番号] |
例
1 2 3 4 |
proxy_servers: http: http://hogehoge.or.jp:8080 https: https://hogehoge.or.jp:8080 |
proxy サーバがわからない場合は,次の手順で調べることができます.
1 2 3 4 5 6 7 |
1. Anaconda Pronpt に "python" と入力 2. 続いて,次のとおりに入力する import urllib.request urllib.request.getproxies() 3. proxy サーバのアドレスが表示される </code>SSL の設定 |
社内LANなどで SSL 認証を行っている環境では,SSL 認証ファイルの場所を設定します.”.crt” ファイルを用意して,次のように記入します.
1 2 |
ssl_verify: [.crt ファイルのパス] |
例
1 2 |
ssl_verify: C:\Users\UserName\crtfile.crt |
以上で Python (Miniconda / Anaconda) のインストールは終了です.お疲れ様でした!
また,今回紹介した以外にも .condarc ファイルについて調べたので,気力が湧いたらもっとしっかりまとめてみたいです.
参考文献
- Using the .condarc conda configuration
https://conda.io/projects/conda/en/latest/user-guide/configuration/use-condarc.html (2019年4月6日取得) - Proxy下のWindowsでPython(Anaconda)環境を整える(Qiita)
https://qiita.com/mishan88/items/2f9e1c5e9e2572ba8a36 (2019年4月6日取得)