日常・日々雑感

時代に逆行して、技術習得のために残業しようと思った話

ハァァ、眠い、、たぬしですー。

昨今は、安倍内閣先導の元、「残業はなるべく減らそう!労働改革の時代やで!」
ということで、全国民の総活躍時代を謳った、新時代に突入しつつあります。

テレビのモニタやら、大衆紙やネット上でも盛んに叫ばれ、今や国が主導で改革に動き出しました。

そんな時代の只中にあって、私に至りましては、技術を習得するためだけに、会社に残るということを最近決めまして、今週は今の所、三日は残っております。

これでは、最近まで送っていた研究室ライフと変わらないではありませんか!

長期的な視点でみて、早く技術習得をする方法

僕の場合、技術とか深みのあるものに時間を割と全振りしてきましたが、実体験からしても難しい技術の習得は、ほぼかけた労力で決まる、という事実に行きあたっております。

現在、会社ではアナログ回路を技術の主とした大きな装置を作っていますが、アナログ回路のみならず、デジタル回路、機械を制御するプログラム、製図、パターン図、組立配線および種々の回路実験技術等、習得すべき事柄が多岐に渡っております。

物性の実験でも同様の流れを経験しましたが、長い実験になると、丸一日かかるのはザラにありますし、一連の流れを把握するのは、何回実験したか?という経験値がモノを言います。

実験が一回でうまくいくということはほとんどありえません。
ノウハウというのは、何かしらの問題に対する知見であったり、問題が起きた時の対処力が主であったりするのです。

こいつをマスターするためには、どうしたら良いでしょう?と問うてみますと、問題に何回もぶち当たって、自分で解決するプロセスを辿るしかありません
変な話、レベルが高いことをやりたければ、それだけ失敗せねばならないということです。

インターネットには、人生の無駄を省くため、みんなで失敗した体験談を共有して、みんなで失敗を回避しようという節があります。

しかし、難解な技術や学問、実験やら物作り、ひいては楽器演奏等も含め、失敗が人を育てるというのがジャンルを問わず基本だと思います。

少なくとも実験のノウハウ等に関しては、兎に角回数重ねてる人は、体験に基づいて色々知っていますし、実感から来る知恵が身につきます。

実験や物を作る等の技術は細かいノウハウの積み重ねであり、伝承以外で習得するのが難しい

うちの会社は零細企業なので特殊かもしれないけれど、身近に社長という究極の実験マスターがおり、かつ社長はいつも残って仕事してるので、自分も残れば聞き放題という良い点があります。

技術系の人で、周りにいる凄い先輩とかが残っている場合などは聞くためだけに残るというのもアリかもしれません。

僕の場合は、技術をマスターして、なんか新しいこと(新製品作ったり、起業したり)してーなーって目論見があるので、そういう動機があればお金では買えない価値があると思うております。
無論、僕とて、さっさと帰ってギター練習したいし、論文も書かにゃならんし、いろいろやりたいことや、まったりしたい気持ちもあるのだけど、勉強出来るウチにしておいて色々吸収しておいたほうが後々良いだろうと感じております。(というか、単純に物理とか、そういう実験とかが好きというのもでかいかもしれません。)

というのは、僕は物性物理実験の分野で博士課程まで行きましたが、ある程度の専門領域になると、いちいち教科書を0から学ぶ時間もなくなるし、基本的に載っていないことが多々あります。(くそ難しい本には載ってたりもしますけど、自分の実験と一致するようなものはよほど周知されているものや典型的な例だったりします。また、難解な本は英語が多いです。
この手のニッチな分野を追求する場合、経験上先生や自分より出来る人との議論や一緒に実験することが、一番成長を促してくれます

理系の場合、議論をするという行為が超重要で、一見数式が解けてその問題がわかりました!となったとしても、いざ実験して実物のモノを扱うと、何か足りないことに気づいたり、まだ学びきれていないなーって部分が生じたりします。

我々実験をする人は、理論のための理論ではなく、実際に実験結果を目の前にして、解釈するための理論を習得しなければなりません
アナログ回路は、数学的にはそこまで難しいことは今のところ出てこないけれど、実感的な習得が非常に難しいと思います。

特に回路の実験手法などは、本に載ってないノウハウが大部分を占めますし、そういう部分をたくさん積み重ねて特化した強みにしている会社はまだ日本にはたくさんあるのだと思います。
けれど、今後人材不足も相まって、その手のかけがえのないノウハウが後世に伝わらないまま、消えてしまうかもしれません。
実際、僕の指導教官が、実験系の人手不足や技術の伝承がされていないことを憂いておりました。

理系や何らかの技術系の人とかは、お金とか時間という目線だけでなく、かけがえのない伝承を通して伝えられるノウハウを得るべく、少し頑張ってみるのもいいかもしれない、というお話でした。